石膏ボードについて
廃棄され続ける石膏ボードとその処分について
石こうボードは不燃性、低価格、また加工がしやすいことから建築物に幅広く使用されており、ホームセンター等でも販売されています。新築、リフォーム、解体すべての工事現場より廃石こうボードが多数発生しています。
廃石こうボードは廃棄・埋め立てされますが、その際に発生する硫化水素(H2S)は大きな事故につながりかねない有毒なガスです。
石こうボードのような便利な素材はこれまでに健康被害を及ぼしたアスベスト問題と同様に商業的に便利な素材である一方で廃棄段階で大きな問題を引き起こす素材です。
現在乱立する太陽光発電パネルなども、耐用年数を迎えた時にどのように廃棄すべきかが問われています。
便利な石こうボードを使う私たちは廃棄処分までの道筋をしっかり考えていく必要があります。
石こうボードから発生する「硫化水素」について
温泉街独特の「硫黄の臭い」といわれる臭いも硫化水素の臭いです。硫化水素はもともと自然界に普遍的に存在するガスであり、生活の中でどこでも発生する可能性のあるガスです。
人間は卵が腐ったような特徴的な硫化水素の臭いを空気中の濃度が0.00041ppm※(およそ25mプールに耳かき1杯分)を超えると感知可能といわれており、敏感に感じとることができます。
温泉街(硫化水素型硫黄泉)では概ね1~2ppm程度の濃度が検出されることがあります。
※出典:日環セ 永田らデータより
硫化水素はごく微量でも独特の、においが発生し、大量の水に溶かしたとしてもなかなか臭いが薄まらず、拡散されることで臭いが強く残る性質をもっており、また比重は空気よりも少し重いため、処分場施設で発生すると低い場所にたまり臭いが薄まらず、気温・湿度の上昇や風の影響で地域周辺に臭気が拡散し、臭いを感じる方が多くなると考えられます。
硫化水素は卵の腐ったような匂い、いわゆる「硫黄臭」が特徴です
廃石こうボードから硫化水素が発生する仕組み
石こうボードは、硫酸カルシウム(CaSO4)を主成分とする石こうを原料として作られています。
この石こうボードを埋立処分するとボードの板紙や糊、木くず、プラスチック等の廃棄物が石こうと混ざり、酸素の少ない状態になって、地中に生息する微生物の活動により、硫化水素(H2S)が発生します。
福岡大学資源循環・環境制御システム研究所の武下准教授らの廃石こうボードの硫化水素発生実験によると、石こうボードおよび石こうボードから分離した板紙や芯材等を純水に浸しただけの条件で硫化水素の発生が確認されています。
石こうボードの主成分である硫酸カルシウムがイオン化し還元されて発生します
廃石こうボードの処分及び臭気について
平成18年6月からは「廃棄物処理法」で廃石こうボードの管理型処分場での最終処分が定められ、多くの廃石こうボードが持ち込まれております。そのため、廃石膏ボードの処分を行える管理型最終処分場では臭気の問題が発生してしまいます。
リサイクル 今後の廃石こうボード処分対応について
廃石こうボードは建築現場等から多数発生しているという状況は変わらず、一方で廃棄埋め立てのみでの対応では硫化水素やそれ伴う臭気の問題は解決されません。
そこで近年注目されているのが実用化された「廃石こうボードリサイクル施設」による廃石膏ボードのリサイクルです。
破砕処理される廃石こうボードは石こう粉と剥離紙とに分離し、それぞれをリサイクル。石こう粉はセメント原料・石こうボードの原料等に再利用され、剥離紙は当社焼却処理、将来的には製紙メーカーへ売却も視野に入れます。
リサイクル施設建設により資源の再利用や臭気原因をつくらない処理を進めます